「東都、東都病院です。父が危篤って……あんなに元気だったのに、どうして……」
高橋さんが、カーナビで東都病院の位置を調べてくれている間、そのカーナビの画面を操作する高橋さんを見ていたが、何も考えられずに全身がガタガタ震えたまま呆然としていると、高橋さんがサイドブレーキを外して車を発進させた。
それから何処をどうやって走って来たのか、酷く長く感じられた道程だったが、何も会話をしないまま東都病院に到着した。
「降りて」
高橋さんが駐車場に車を停めて、助手席のドアを開けてくれた。
「何階?」
エッ……。
「何階ですか?」
「おい。しっかりしろ!」
「聞いてない……。私、聞いてないんです」
「行こう」
高橋さんは、直ぐに私の手首を掴んで走り出した。
パニックになっている私に代わって救急外来で高橋さんが事情を説明してくれると、6階の病室だということが分かって急いでエレベーターで6階まで上った。
エレベーターを降りると、目の前にナースステーションがあって高橋さんが名前を告げると病室まで案内してくれた。
看護師が案内してくれた病室は、ICUだった。
集中治療室。
「こちらです。入室される前に、手洗いとうがいをして頂いて白衣とマスクを着用して下さい」
矢継ぎ早に言われて、高橋さんを見た。
「俺は、此処に居るから」
「えっ……」
高橋さんは、入り口の手前に並んでいる椅子を指さした。
でも、1人で入るのは心細い。
怖い……。
高橋さんが、カーナビで東都病院の位置を調べてくれている間、そのカーナビの画面を操作する高橋さんを見ていたが、何も考えられずに全身がガタガタ震えたまま呆然としていると、高橋さんがサイドブレーキを外して車を発進させた。
それから何処をどうやって走って来たのか、酷く長く感じられた道程だったが、何も会話をしないまま東都病院に到着した。
「降りて」
高橋さんが駐車場に車を停めて、助手席のドアを開けてくれた。
「何階?」
エッ……。
「何階ですか?」
「おい。しっかりしろ!」
「聞いてない……。私、聞いてないんです」
「行こう」
高橋さんは、直ぐに私の手首を掴んで走り出した。
パニックになっている私に代わって救急外来で高橋さんが事情を説明してくれると、6階の病室だということが分かって急いでエレベーターで6階まで上った。
エレベーターを降りると、目の前にナースステーションがあって高橋さんが名前を告げると病室まで案内してくれた。
看護師が案内してくれた病室は、ICUだった。
集中治療室。
「こちらです。入室される前に、手洗いとうがいをして頂いて白衣とマスクを着用して下さい」
矢継ぎ早に言われて、高橋さんを見た。
「俺は、此処に居るから」
「えっ……」
高橋さんは、入り口の手前に並んでいる椅子を指さした。
でも、1人で入るのは心細い。
怖い……。

