電話を切って、戸締まりを確認して部屋を出た。
もう4月だというのに陽が落ちると急に寒くなってきて、18時ともなると外はもう薄暗いし、ぽかぽか陽気の昼間とは打って変わってだいぶ冷え込んできていた。
マンションの前に高橋さんの車が停まっていて、お得意の車のトランクにもたれ掛かりながら高橋さんが煙草を吸っていた。
相変わらず、絵になるなぁと感心しながら思わず顔が綻んでしまう。
「こんばんは。お待たせしました」
「こんばんは。じゃあ、行こうか」
「はい。ありがとうございます」
助手席に乗ると、高橋さんがドアを閉めてくれた。
軽く食事をしてから行こうということになり、通り道のパスタ・ハウスに向かう途中、西の空はまだ陽に染まって見える。
週末の土曜日。行き交う人々は、お天気が良かったこともあってジャケットを脱いでいた人も多かったが、陽が落ちて軽装になっていた人がジャケットを羽織っている姿が車窓から何人も見られた。
それにしても、高橋さんの車で流れている曲は本当に耳に心地よい。今流れている曲も、夕暮れ時の今にぴったりだ。
「この曲、誰の何という曲なんですか?」
「ん? これ? これは、Jamie CullumのSave Your Soul」
「Jamie CullumのSave Your Soul……」
駄目だ。忘れちゃいそう。
慌ててバッグの中から手帳を出すと、何事かと高橋さんがこちらを見た」
「何?」
「あっ。いえ、忘れちゃいそうなので、せっかく教えて頂いたからメモしておこうと思って……あっ!」
手帳をバッグの上に置いて、高橋さんの方を見て話していたので気が緩んだのか、手帳を落としてしまい、手帳に挟んでいたものがザーッと助手席の床に散乱してしまった。
「す、すみません」
慌てて助手席の床に落ちてしまった挟んでいたどうでもいいような紙や、お店の名刺等を拾おうとしたが、シートベルトをしていたため勢いよく屈もうとしたせいでロックが掛かり、中途半端なところで上半身が止まってしまった。
「フッ……。相変わらず、ぶちまけ祭りが好きだな」
うっ。
ぶちまけ祭りって、それはあんまりなんじゃ。
再度、ゆっくり屈むと今度はシートベルトのロックは掛からなかったので、床に散乱したものを慌てて拾った。
「ほら」
もう4月だというのに陽が落ちると急に寒くなってきて、18時ともなると外はもう薄暗いし、ぽかぽか陽気の昼間とは打って変わってだいぶ冷え込んできていた。
マンションの前に高橋さんの車が停まっていて、お得意の車のトランクにもたれ掛かりながら高橋さんが煙草を吸っていた。
相変わらず、絵になるなぁと感心しながら思わず顔が綻んでしまう。
「こんばんは。お待たせしました」
「こんばんは。じゃあ、行こうか」
「はい。ありがとうございます」
助手席に乗ると、高橋さんがドアを閉めてくれた。
軽く食事をしてから行こうということになり、通り道のパスタ・ハウスに向かう途中、西の空はまだ陽に染まって見える。
週末の土曜日。行き交う人々は、お天気が良かったこともあってジャケットを脱いでいた人も多かったが、陽が落ちて軽装になっていた人がジャケットを羽織っている姿が車窓から何人も見られた。
それにしても、高橋さんの車で流れている曲は本当に耳に心地よい。今流れている曲も、夕暮れ時の今にぴったりだ。
「この曲、誰の何という曲なんですか?」
「ん? これ? これは、Jamie CullumのSave Your Soul」
「Jamie CullumのSave Your Soul……」
駄目だ。忘れちゃいそう。
慌ててバッグの中から手帳を出すと、何事かと高橋さんがこちらを見た」
「何?」
「あっ。いえ、忘れちゃいそうなので、せっかく教えて頂いたからメモしておこうと思って……あっ!」
手帳をバッグの上に置いて、高橋さんの方を見て話していたので気が緩んだのか、手帳を落としてしまい、手帳に挟んでいたものがザーッと助手席の床に散乱してしまった。
「す、すみません」
慌てて助手席の床に落ちてしまった挟んでいたどうでもいいような紙や、お店の名刺等を拾おうとしたが、シートベルトをしていたため勢いよく屈もうとしたせいでロックが掛かり、中途半端なところで上半身が止まってしまった。
「フッ……。相変わらず、ぶちまけ祭りが好きだな」
うっ。
ぶちまけ祭りって、それはあんまりなんじゃ。
再度、ゆっくり屈むと今度はシートベルトのロックは掛からなかったので、床に散乱したものを慌てて拾った。
「ほら」

