3人にお辞儀をして、玄関から出ようとドアを開けた。
「それじゃ、また」
「気をつけてね」
「貴博に、襲われないようにねぇ」
はい?
「痛っ……」
見ると、明良さんがニコニコ笑いながら手を振ってくれていた後ろから、高橋さんに頭を叩かれていた。
「凶暴な奴だなぁ」
「行こう」
「えっ? あの……」
「早く出て」
後ろから高橋さんに背中を押されて、ピロティから通路に出された。
「駅まで、送っていく」
「えっ? 高橋さん。まだ明るいですし大丈夫ですから、明良さん達とお家でゆっくりされていて下さい」
「いいから」
高橋さんはエレベーターのボタンを押すと、持っていたジャケットを羽織った。
マンションのエントランスを出て、車路脇の歩道を高橋さんと並んで歩く。
3月下旬とはいえ、夕方はまだ肌寒く、冷たい風に体温を奪われそうで無意識にファスナーを開けていたスプリングコートの前立てをギュッと掴んだ。
「寒くないか?」
「はい」
「もう少し、駅まで近いといいんだけどな」
「そんなことないです。うちと同じぐらいですよね?」
「そうだな。駅から、徒歩10分ってところか。まあ、短時間の有酸素運動だな。」
有酸素運動。
何か、いいな。高橋さんの言い方って。
「あっ……」
「ん?」
「それじゃ、また」
「気をつけてね」
「貴博に、襲われないようにねぇ」
はい?
「痛っ……」
見ると、明良さんがニコニコ笑いながら手を振ってくれていた後ろから、高橋さんに頭を叩かれていた。
「凶暴な奴だなぁ」
「行こう」
「えっ? あの……」
「早く出て」
後ろから高橋さんに背中を押されて、ピロティから通路に出された。
「駅まで、送っていく」
「えっ? 高橋さん。まだ明るいですし大丈夫ですから、明良さん達とお家でゆっくりされていて下さい」
「いいから」
高橋さんはエレベーターのボタンを押すと、持っていたジャケットを羽織った。
マンションのエントランスを出て、車路脇の歩道を高橋さんと並んで歩く。
3月下旬とはいえ、夕方はまだ肌寒く、冷たい風に体温を奪われそうで無意識にファスナーを開けていたスプリングコートの前立てをギュッと掴んだ。
「寒くないか?」
「はい」
「もう少し、駅まで近いといいんだけどな」
「そんなことないです。うちと同じぐらいですよね?」
「そうだな。駅から、徒歩10分ってところか。まあ、短時間の有酸素運動だな。」
有酸素運動。
何か、いいな。高橋さんの言い方って。
「あっ……」
「ん?」

