新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜

エッ……。
不意に顔を覗き込まれて聞かれたので、ビクッとなってしまった。
「あっ……は、はい」
「フッ……」
高橋さんは、そんな私を見て笑っている

あちらこちらから恋人達の愛の囁きが聞こえてきて、クリスマス・ツリーの周辺に甘い雰囲気が漂っている。
I love you, I need you……。
男性からだけではなく、女性からも積極的に自分の思いを、気持ちを伝えている。
女性から愛の告白をしていて、凄いな。
とても、私には無理だなぁ。
「じゃあ、帰ろう」
「えっ? あっ……は、はい」
せっかく来たのにもう帰るのかと思うと、少し名残惜しい。
「何? まだ、此処に居たいのか? でも、どんどん気温も下がって寒くなってくるから」
そんな私の心を察して、高橋さんが聞いてくれた。
でも、あまり我が儘を言ってもいけないと思い、黙って高橋さんを見上げると高橋さんが私を引き寄せた。
ひゃっ!
「そんな目で見るなって。 まるで、俺が悪いみたいだろ?」
「えっ? そ、そんなこと、誰も思ってないですよ」
周りにかなり沢山の人が居たが、殆どがカップルだったので人目もあまり気にはならなくて済む。 その中にあって、返って同化している感じすらする。
I love you……Cindy I love you……。
な、何で、こんな時に……。
先ほどのカップルの男性が、今度は女性に愛を囁いている声が聞こえてきた。
「フッ……」
高橋さんが笑ったように思えて見上げると、高橋さんが私の耳元に唇を近づけた。
「I miss you like crazy!」
エッ……。
「I would always be around」