「過去は過去として、いつまでも過ぎた時間に囚われていても何ら進歩もない。 忘れたわけではないが、それはそれとしてその時は一生懸命生きていこう。 1つの証として覚えておこうと思うことに決めたはずだったのにな。 それなのに、どうしてもまだ過去に拘ってしまう。 みっともないな。 我ながら情けない」
そんなことはない。
「そ、そんなことはないです。 私だって、いつまで経っても進歩していないし、何も成長出来てないです。 それに……」
私なんかと一緒にされても、高橋さんはまったく嬉しくはないだろうけれど。
「それだけ好きだった人のことを、そう簡単に割り切れることが出来たらどんなに楽か……。 それが出来ないのは、それだけ好きだったからなんじゃないですか?」
「お前……」
ハッ!
「す、すみません。 分かりもしないのに、生意気なことを言って」
高橋さんの想いを、無意識に自分に置き換えてしまっていた。
私だって……もし、高橋さんと別れてしまうことになったりしたら、きっとそんな簡単に高橋さんのことを忘れることなんて出来ない。 ううん。 永遠に、忘れられないと思う。
「誰かが、言っていた。 生きることは、諦めることだと」
諦めること?
「今の自分に不満があるわけじゃない。 だが、昔の自分が懐かしくて、あの頃に戻りたいと思うことがある。 でも、それは……ただ、過去の出来事が輝いて見えただけ。 それは、一瞬のまぼろし」
「一瞬のまぼろし……」
「そうだ。 輝いて見えた過去の出来事は、一瞬のまぼろし。 冷静になってみれば、今の自分を捨てることも出来ないし、その輝いて見えた過去の自分は、良い所だけを思い出しているだけなんだ。 そんな自分をいつまでも追い求めていても、決して道は切り開けない。 過去の輝いて見えた時代の自分は、あくまでも過去の自分。 その一瞬のまぼろしを追い求める生き方を諦めない限り、人生は止まったまま先には進めない」
輝いて見える過去の自分は、良い所だけを思い出しているだけ……。
その言葉が、胸に響いた。
「だから……俺は、もうまぼろしを追い求めることはしない。 今を、そしてこれからを大切にしていこうと思う」
クリスマス・ツリーを見ながら、高橋さんが静かに話してくれた。
そんなことはない。
「そ、そんなことはないです。 私だって、いつまで経っても進歩していないし、何も成長出来てないです。 それに……」
私なんかと一緒にされても、高橋さんはまったく嬉しくはないだろうけれど。
「それだけ好きだった人のことを、そう簡単に割り切れることが出来たらどんなに楽か……。 それが出来ないのは、それだけ好きだったからなんじゃないですか?」
「お前……」
ハッ!
「す、すみません。 分かりもしないのに、生意気なことを言って」
高橋さんの想いを、無意識に自分に置き換えてしまっていた。
私だって……もし、高橋さんと別れてしまうことになったりしたら、きっとそんな簡単に高橋さんのことを忘れることなんて出来ない。 ううん。 永遠に、忘れられないと思う。
「誰かが、言っていた。 生きることは、諦めることだと」
諦めること?
「今の自分に不満があるわけじゃない。 だが、昔の自分が懐かしくて、あの頃に戻りたいと思うことがある。 でも、それは……ただ、過去の出来事が輝いて見えただけ。 それは、一瞬のまぼろし」
「一瞬のまぼろし……」
「そうだ。 輝いて見えた過去の出来事は、一瞬のまぼろし。 冷静になってみれば、今の自分を捨てることも出来ないし、その輝いて見えた過去の自分は、良い所だけを思い出しているだけなんだ。 そんな自分をいつまでも追い求めていても、決して道は切り開けない。 過去の輝いて見えた時代の自分は、あくまでも過去の自分。 その一瞬のまぼろしを追い求める生き方を諦めない限り、人生は止まったまま先には進めない」
輝いて見える過去の自分は、良い所だけを思い出しているだけ……。
その言葉が、胸に響いた。
「だから……俺は、もうまぼろしを追い求めることはしない。 今を、そしてこれからを大切にしていこうと思う」
クリスマス・ツリーを見ながら、高橋さんが静かに話してくれた。

