「俺達は、3月からお互い少しは成長出来たのかな?」
高橋さんと目が合ったが、即答出来ない。
私は、3月から成長出来ているのだろうか?
自分のことなのに、よく分からない。
少しだけ成長出来たような気もするけれど、でもそれは目に見えてというわけでもなく……。
「まあ、成長しましたと言い切れる奴ほど、おこがましいけどな」
高橋さんは少しだけ微笑み、またクリスマス・ツリーを見上げたので、それに習って私もクリスマス・ツリーを見上げた。
「昔から、俺には夢があったんだ」
「夢……ですか?」
視線をクリスマス・ツリーから高橋さんに向けたが、高橋さんはクリスマス・ツリーを見上げたままだった。
「うちのお袋は、俺が小さい頃からいつも同じ時計を大事そうにしていて、その時計を何処に行くにも家事をしている時以外は常にしていたんだ。 他にも、幾つか時計は持っているはずなのにさ。 それが、俺には何でなのか子供ながらに不思議だったんだ」
「時計?」
「そう。 腕時計」
腕時計って、もしかして……。
「それである時、どうしてもその理由が知りたくて思い切ってお袋に聞いたんだ」
そう言うと、高橋さんは一瞬、目を閉じた。
「どうして、いつも同じその腕時計をしてるんだってね。 そうしたら、お袋が言ったんだ。 大好きな人から、貰ったから。 その人とお揃いだからと、嬉しそうにはっきりとそう言ったんだ。 この腕時計をしていると、たとえどんなに離れていても、どれだけ会えなくても、その人と今同じ時間を刻んでいられると感じられるからだって。 そして、いつもこれをしていれば、相手もきっと同じ腕時計を見た時に、自分と同じ時間を刻んでいると感じてくれていると思えるからだと」
「高橋さん……」
クリスマス・ツリーを見ている高橋さんの表情は、とても穏やかだった。
「俺はその時、時が経っても見えない絆で結ばれているお袋にこんな風に想ってもらえる相手は……幸せだなと思った。 俺も、いつか好きな人が出来たら絶対同じように自分の1番好きな腕時計をあげたい。 お袋の話を聞いてから、ずっとそう思っていた」
「えっ……」
高橋さんと目が合ったが、即答出来ない。
私は、3月から成長出来ているのだろうか?
自分のことなのに、よく分からない。
少しだけ成長出来たような気もするけれど、でもそれは目に見えてというわけでもなく……。
「まあ、成長しましたと言い切れる奴ほど、おこがましいけどな」
高橋さんは少しだけ微笑み、またクリスマス・ツリーを見上げたので、それに習って私もクリスマス・ツリーを見上げた。
「昔から、俺には夢があったんだ」
「夢……ですか?」
視線をクリスマス・ツリーから高橋さんに向けたが、高橋さんはクリスマス・ツリーを見上げたままだった。
「うちのお袋は、俺が小さい頃からいつも同じ時計を大事そうにしていて、その時計を何処に行くにも家事をしている時以外は常にしていたんだ。 他にも、幾つか時計は持っているはずなのにさ。 それが、俺には何でなのか子供ながらに不思議だったんだ」
「時計?」
「そう。 腕時計」
腕時計って、もしかして……。
「それである時、どうしてもその理由が知りたくて思い切ってお袋に聞いたんだ」
そう言うと、高橋さんは一瞬、目を閉じた。
「どうして、いつも同じその腕時計をしてるんだってね。 そうしたら、お袋が言ったんだ。 大好きな人から、貰ったから。 その人とお揃いだからと、嬉しそうにはっきりとそう言ったんだ。 この腕時計をしていると、たとえどんなに離れていても、どれだけ会えなくても、その人と今同じ時間を刻んでいられると感じられるからだって。 そして、いつもこれをしていれば、相手もきっと同じ腕時計を見た時に、自分と同じ時間を刻んでいると感じてくれていると思えるからだと」
「高橋さん……」
クリスマス・ツリーを見ている高橋さんの表情は、とても穏やかだった。
「俺はその時、時が経っても見えない絆で結ばれているお袋にこんな風に想ってもらえる相手は……幸せだなと思った。 俺も、いつか好きな人が出来たら絶対同じように自分の1番好きな腕時計をあげたい。 お袋の話を聞いてから、ずっとそう思っていた」
「えっ……」

