「えっ? 今から……ですか?」
まだ時計の針は18時を過ぎたところだったが、もう外は真っ暗だった。
ニューヨークの冬は、本当に寒い。
まして陽が落ちると、急激に気温が下がる。
「疲れちゃった?」
キッチンの入り口付近で高橋さんが白い壁に手を突き、小首を傾げている。
その姿が何とも言えず絵になっていて、胸がキューン!となってしまう。
「い、いえ、大丈夫です。 今、支度して来ますね」
「そうか。 じゃあ、外は寒いから沢山着て行けよ」
高橋さんが、微笑みながらアドバイスをしてくれた。
「はい」
部屋に戻って支度を始めようとして鏡を見ると、赤鼻のトナカイさんが脱皮したみたいな顔になっている。
うわっ。
こ、こんな顔で、高橋さんと話していたなんて。
自分でも瞬時に顔を背けたくなるような、それだけ酷い顔だった。
顔の突貫工事をしながら、ふと気になった。
高橋さんは、そのまま直ぐに出掛けられる格好だったので待たせているのは悪いとは思ったのだが、つい手を止めて鏡の中の自分に問い掛けた。
時計のこと……ちゃんと話してくれるかな?
でも、もし高橋さんから話してくれなかったら、きちんと聞きたいから私から聞こう。
そう心に決めて、ルージュをひいた。
「お待たせしました」
「沢山着てきたか?」
思いっきり頷くと、高橋さんはフワッと微笑んだ。
「それじゃ、行こう」
エレベーターに乗ってロビーを通ると、週末で、しかも土曜日ということもあって、チェックインをしようとしている沢山の宿泊客と待ち合わせをしている人達でロビーはかなりごった返していた。
回転式ドアから外に出ると一気に体温を奪われ、冷たい空気が頬を刺す。
高橋さんが、ギュッ!と私の手を握って歩き出した。
まだ時計の針は18時を過ぎたところだったが、もう外は真っ暗だった。
ニューヨークの冬は、本当に寒い。
まして陽が落ちると、急激に気温が下がる。
「疲れちゃった?」
キッチンの入り口付近で高橋さんが白い壁に手を突き、小首を傾げている。
その姿が何とも言えず絵になっていて、胸がキューン!となってしまう。
「い、いえ、大丈夫です。 今、支度して来ますね」
「そうか。 じゃあ、外は寒いから沢山着て行けよ」
高橋さんが、微笑みながらアドバイスをしてくれた。
「はい」
部屋に戻って支度を始めようとして鏡を見ると、赤鼻のトナカイさんが脱皮したみたいな顔になっている。
うわっ。
こ、こんな顔で、高橋さんと話していたなんて。
自分でも瞬時に顔を背けたくなるような、それだけ酷い顔だった。
顔の突貫工事をしながら、ふと気になった。
高橋さんは、そのまま直ぐに出掛けられる格好だったので待たせているのは悪いとは思ったのだが、つい手を止めて鏡の中の自分に問い掛けた。
時計のこと……ちゃんと話してくれるかな?
でも、もし高橋さんから話してくれなかったら、きちんと聞きたいから私から聞こう。
そう心に決めて、ルージュをひいた。
「お待たせしました」
「沢山着てきたか?」
思いっきり頷くと、高橋さんはフワッと微笑んだ。
「それじゃ、行こう」
エレベーターに乗ってロビーを通ると、週末で、しかも土曜日ということもあって、チェックインをしようとしている沢山の宿泊客と待ち合わせをしている人達でロビーはかなりごった返していた。
回転式ドアから外に出ると一気に体温を奪われ、冷たい空気が頬を刺す。
高橋さんが、ギュッ!と私の手を握って歩き出した。

