「ん? こっちと、どっちがいいと思う?」
今、してみている時計ともう1つ置いてあった時計を私に掲げて比べさせてくれた。
「どうなんでしょう? 時計のことはよく分からないです」
「どっちが、好み?」
「好み? 好みですか……。うーん……やっぱり高橋さんが、今している方ですかね?」
「だろ? ヨシッ!」
高橋さんが嬉しそうな表情で、子供みたいに腕時計をしていない左手で小さくガッツポーズをした。
そうなんだ。
高橋さんは左利きだから、腕時計を右腕にする。
程なくして店員さんが戻ってきて、フェルト・トレーを高橋さんの前に置いた。
見ると、高橋さんが今付けている時計と同じものだが、サイズが少し小さい感じのものがそのフェルト・トレーにのっていた。
「してごらん?」
エッ……。
店員さんが、その腕時計を差し出したので驚いて高橋さんの顔を見た。
「い・い・か・ら!」
「でも……」
こんな高いもの、買えない。
どう逆立ちしても、私には絶対無理だ。
「するのは、タダだから」
高橋さんが、無理矢理私の右腕をテーブルの上にのせるとその時計をはめた。
ブレスレットの部分が大きいせいか、時計がまわってしまう。
高橋さんは、私の手首の裏側で余ったブレスレットのコマの部分を押さえながら首を傾げて見ていた。
「いいんじゃない?」
「いいんじゃないって、高橋さん! 私、こんな高い時計、買えないですよ。 無理ですから、戻して下さい」
しかし、高橋さんは少し微笑んだだけで、店員さんに何かを告げていた。
今、してみている時計ともう1つ置いてあった時計を私に掲げて比べさせてくれた。
「どうなんでしょう? 時計のことはよく分からないです」
「どっちが、好み?」
「好み? 好みですか……。うーん……やっぱり高橋さんが、今している方ですかね?」
「だろ? ヨシッ!」
高橋さんが嬉しそうな表情で、子供みたいに腕時計をしていない左手で小さくガッツポーズをした。
そうなんだ。
高橋さんは左利きだから、腕時計を右腕にする。
程なくして店員さんが戻ってきて、フェルト・トレーを高橋さんの前に置いた。
見ると、高橋さんが今付けている時計と同じものだが、サイズが少し小さい感じのものがそのフェルト・トレーにのっていた。
「してごらん?」
エッ……。
店員さんが、その腕時計を差し出したので驚いて高橋さんの顔を見た。
「い・い・か・ら!」
「でも……」
こんな高いもの、買えない。
どう逆立ちしても、私には絶対無理だ。
「するのは、タダだから」
高橋さんが、無理矢理私の右腕をテーブルの上にのせるとその時計をはめた。
ブレスレットの部分が大きいせいか、時計がまわってしまう。
高橋さんは、私の手首の裏側で余ったブレスレットのコマの部分を押さえながら首を傾げて見ていた。
「いいんじゃない?」
「いいんじゃないって、高橋さん! 私、こんな高い時計、買えないですよ。 無理ですから、戻して下さい」
しかし、高橋さんは少し微笑んだだけで、店員さんに何かを告げていた。

