新そよ風に乗って ⑥ 〜憧憬〜

何もかも初めてで緊張しているせいか、知らぬ間にボタンを外されて、あっという間にシャツを脱がされていた。
シャツを脱いだ高橋さんの上半身が露わになって、目のやり場に困ってしまい、慌ててギュッと目を瞑る。
高橋さんの鍛えられた体。
胸が割れていて、腹筋もかなり割れている。
男の人の裸なんて、お父さん以外見たことなかったかもしれない。
でも、そんな高橋さんの裸を見るのも、素肌に触れるのも、触れられるのも、男の人に自分の裸を見られるのも初めてだし、まして高橋さんに自分の裸を見せるなんて……。
もう、どうしていいのか分からない。
体中が激しく脈打って制御出来そうになく、心臓が飛び出しそうなぐらい恥ずかしい。
「ンンッ……」
恥ずかしさが極限に達して、両手で胸を隠そうとしたが、高橋さんの両手がそれを阻み、私の手は大きく両サイドに広げられて胸が露わになってしまった。
恥ずかしい。 
見ないで……。
顔から火が出そうで、咄嗟に高橋さんのキスから逃れるように横を向き、ギュッと目を閉じた。
肌と肌が触れ合って、高橋さんの体温を直に感じる。 
温かい。
人の温もりって、こんなにも温かかったかな?
高橋さんの指が私の上半身をなぞり、それに反応して声が出てしまう。
嫌だ。 
恥ずかしい。
「アッ……ンッ……」
胸に触れるか触れないか、際どい触れ方をされて、高橋さんの指が触れるたびに敏感に反応して感じてしまう。
焦らされているような感覚に体を捩りながら、また声が出てしまいそうになって、慌てて左手の人差し指の甲側で唇を押さえながら必死に声を抑えていた。
すると、高橋さんが右手で横を向いている私の頬を挟み真上に向けた。
驚いて目を開けると、今にも唇が触れてしまいそうな至近距離に高橋さんの顔があった。
ち、近い。 近すぎですってば、高橋さん。
心の中でそう叫んだが、声が出ない。
「何故、我慢してまで自分を偽る?」
高橋さんは 唇に押し当てていた私の左手をそっと離した。
「もっと、乱れたお前も見てみたい」