七瀬「ストロベリームーンを見ると、『恋愛が成就する』『幸せが訪れる』っていわれているの知ってるか?」
夏鈴「……」
夏鈴(年に1度だけ観測できる特別な満月『ストロベリームーン』ずっと憧れていたものだから、恋が叶う満月と言われていることも知ってる……)
全て知っていた夏鈴だが、口に出すと七瀬先生を意識してしまいそうで言えなかった。
七瀬先生と密着した時から、今もなお、ドキドキ心臓が激しく鼓動している。
夏鈴(ち、ちがう。このドキドキは、ずっと見たかったストロベリームーンを見られたからだよ。……七瀬先生のせいなんかじゃない)
七瀬「なー水原?……俺、好きな人と一緒に『ストロベリームーン』見れたんだけどさ、言い伝えは本当だと思うか?」
夏鈴「……え、そ、そんなこと私に聞かれても……」
七瀬「聞くに決まってるだろ?俺の好きな人は、水原なんだから」
七瀬先生は真剣な瞳を夏鈴に向ける。
夜空とストロベリームーンを背景に見つめあう2人。
夏鈴(相手は先生なのに……好きになっちゃいけないのに……。どうしてこんなに嬉しいと思ってしまうんだろう)
七瀬「俺の気持ちは本気だから、夏鈴」
夏鈴「……わ、私は……」
突然名前で呼ばれた夏鈴は驚きと胸のときめきを感じる。
二人は月明かりに照らされ見つめ合う。
夏鈴「七瀬先生、こっ、ここから先は、法律違反になるのではないでしょうか?」
七瀬「……法には触れていないよ?……それに、秘密の恋は燃えるって知ってた?」
ニヤリと笑う七瀬先生に色気を感じる。
夏鈴の胸の鼓動も高鳴り続けていた。



