「お腹、減った……」

なんて独り言が溜め息と共に落とされる。

4時間目の授業が終わって、お昼の時間になった。
けど、お金もお弁当も持っていない私は、誰もいない空教室の後ろの隅っこに1人膝をかかえていた。


「ほんと、何なの……」

"シグレ"が突然……キ、キスなんてするから、あの後 私の存在が凄く居心地の悪いものになってしまったんだ。

せっかく仲良くなれそうだった隣の席の"アコちゃん"は眉をつり上げて、「あんた知らないっていったくせに!」とくっつけてあった机を離された。


先生は無言で何も無かった様に授業を続けはじめて。
2時間目、3時間目、4時間目と私は席に座っているだけで、誰にも声をかけられなかった。
こっちから誰かに話しかけようとしても、逃げられる始末で。
まるでいない存在のようだった。

クラスの半分以上は私と目も合わせなくて、一部の女の子からは"アコちゃん"の様に凄い目で睨み付けられる状態だったのだ。



それに、男の子とキ、キスなんてしたの──、