【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。

 赤い月なんかに煩わされず穏やかに眠れる夜が来て欲しいと心底思う。

 ――どうして、今こんな気持ちになるんだろう。自分から身代わりでいいって言ったばかりなのに。

気付きたくない。なんのためにここにいるのか、真実の愛の香りを完成させて、母の思いを報いて、初恋の彼に渡す香水を作るため。
そのためのはずなのに。この寝顔を眺めていたいと思ってしまう自分になんだか泣きそうになった。