【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。

しゅん、とされるとニーナは何も言えなくなって差し出されたスプーンに口をつけるしかなくなる。互いに秘密を話したからだろうか、相手に対する対応が柔らかくなった気がする。

結局、焦りもあってひとりで調香していたときよりも作業が進み、香水が完成した頃にはデザートまでロルフに食べさせてもらってしまった。

調合用のテーブルから離れ、並んでソファーに腰掛ける。

「ロルフ様、嗅いでみていただけますか?」

完成した香水をシュッと空中に撒く。

「……これは、ラベンダーか? ほんのりとレモンの香りもするな。気分が落ち着く」
「はいっ、イメージは夜空です。静かな夜道を散歩していて、ふと見上げる星空……本当なら陰の魔
力が合うと思うのですが私は陽なので、ほんの少しだけこめました」

陽の魔力でも沈んだ気分を高揚させて落ち着かせることは出来るが、集中させ気分を鎮めるという意味では陰の魔力が妥当だ。

 ――少しでも、ロルフ様が穏やかな夜を過ごせますように。

自分の魔力ではイメージに対して力不足かもしれないと思っていたがロルフは香りに満足してくれているようだった。

「魔力の相性は勿論だが、やはりニーナの香水は温かいと感じる……夜空のイメージは伝わるのに不思議だな」