【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。

「君の希望を叶えたい。君が俺の調香師になってくれた本当の理由を教えてくれないか」

 調香室に漂う花や木の香りに、涙と懺悔の切なさが重なる。午後の陽射しがレースカーテンの奥で揺らめいて竜と猫を包み込んだ。猫は竜の腕の中で、時折頭を撫でられながら『初恋の彼』がいること。そして『真実の愛の香水』について伝えた。

 竜はそれらを受け入れ、どんなことでも協力すると約束までしてくれた。
 この期に及んでまだ優しさを見せる彼にニーナは早鐘を打つ胸を押さえつける。だから自ら、あんなことを口走ったのかもしれない。
「……もし嫌でなければ私を、初恋の方だと思って接してください。……愛人より、ロルフ様のお役に立てそうですもの」