「あの女……現王妃は元メイドだったが母と随分仲か悪かったらしい。そのうえ生まれたのは竜化もできないもたざる王子ときた。今でも随分嫌われていている」
はっと鼻で笑うロルフに、選抜試験の時に『不義の子』と蔑まれたことを思い出した。
嫌悪と憎悪で刺すような視線の痛みをニーナも知っている。
幼い頃からあの視線に晒されていればどれだけ心が荒むのか。幸いニーナには母との記憶があり、今は友達のリリィもいる。でも、もしふたりがいなかったとしたら。
想像しただけで背筋が冷たくなる。視界が暗くなるほど恐ろしい。
「えっ、ロ、ロフル様……?」
ロルフは突然シャツを脱ぎ捨て、ニーナに背中をみせた。
ニーナは目を見張った。美しく鍛え上げられた白い肌に、大きな痣のようなものが浮き上がっている。まるで、翼をむしり取られたようにもみえる、酷い怪我だった。
「これは俺の母が無能を産んだ罪として、呪ったものだ。歴代の竜族で魔力を持たずに生まれる者はいなかった。だから、母は不義を疑われたんだ。王は……父は、瀕死だった母の僅かな魔力と命を使って、償いとして呪いをかけさせた。『次の赤い満月の日、死ぬように』と……さぞ憎かっただろうな」
自傷気味にロルフが吐き捨てる。
はっと鼻で笑うロルフに、選抜試験の時に『不義の子』と蔑まれたことを思い出した。
嫌悪と憎悪で刺すような視線の痛みをニーナも知っている。
幼い頃からあの視線に晒されていればどれだけ心が荒むのか。幸いニーナには母との記憶があり、今は友達のリリィもいる。でも、もしふたりがいなかったとしたら。
想像しただけで背筋が冷たくなる。視界が暗くなるほど恐ろしい。
「えっ、ロ、ロフル様……?」
ロルフは突然シャツを脱ぎ捨て、ニーナに背中をみせた。
ニーナは目を見張った。美しく鍛え上げられた白い肌に、大きな痣のようなものが浮き上がっている。まるで、翼をむしり取られたようにもみえる、酷い怪我だった。
「これは俺の母が無能を産んだ罪として、呪ったものだ。歴代の竜族で魔力を持たずに生まれる者はいなかった。だから、母は不義を疑われたんだ。王は……父は、瀕死だった母の僅かな魔力と命を使って、償いとして呪いをかけさせた。『次の赤い満月の日、死ぬように』と……さぞ憎かっただろうな」
自傷気味にロルフが吐き捨てる。


