【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。



「もっとだ」



 一歩進むごとに何度も急かされ、ついに互いの膝が触れあう距離になると焦がれた男がニーナの腕を掴み引き寄せた。



「きゃっ――」



 力強い手がニーナの腰を掴み、意図せずとも椅子に座る王子に跨がる体勢になってしまう。



「この香りだ……なぜ……おい、君、魔法属性は陽か?」

「は、はい」



 なぜ王子がそんなことを聞くのか分からない。魔法属性は陰か陽しか存在しないのだから珍しくもないのだ。意図が分からず訝っていると、更に引き寄せられ王子の顔が首筋に埋まる。はあっと吐き出された息がかかって、思わずぞわりとしてしまう。



「……なんの香水をつけている……? いや、この身体からなのか……?」



 まるで探るように鼻を近づけられ嗅がれている。いったいなんのかさっぱり分からず、ニーナはただ困惑と羞恥で無意識にその腕から逃げようと藻掻く。だがそれが悪かったようで逃がすまいとさらに力を込められてしまった。身体は王子に密着し、完全に膝の上に乗り上げてしまっている。



「もっ、お戯れは……ッ、ぁっ、そこは……っ!」