第一王子も別の馬車に乗り込んだようで、リリィがまだ泣いているのが見えた。友人に大丈夫よ、と笑顔を作ってみせる。大丈夫、そう自分にも言い聞かせた。
馬車の中はニーナが黙ると静寂に包まれた。第二王子はニーナが逃げられないよう腰に腕を回しているが視線は真っ直ぐとどこか遠いところをみている。
ふと、窓越しにざわつく声が耳にはいった。ニーナ達の騒動に集まった人々が遠目に馬車をじろじろ覗き込んでいる。
『王子たちが香水店のニーナを連れ去っちまうよ』
『王子たち、なんて言ったらミカエル様に失礼じゃないかい』
『それもそうだ。それにしてもミカエル様は素敵だねえ。遠目だったけれどあの笑ったときの横顔なんて腰が抜けるかと思ったよお』
大勢が一度に喋るため全ては聞き取れないが、どうやらあの第一王太子は人気らしい。
目を輝かせた女性達がうっとりと語っている。
『極悪王子め、また女を誑かしやがって……あの子もきっと適当な理由で処罰されちまうんだ。もうここじゃ商売できねえな』
『まったくだ! あの持たざる王子……俺の兄弟もアイツに処罰されたんだ……! 次見かけたらぶっ飛ばしてやる!』
馬車の中はニーナが黙ると静寂に包まれた。第二王子はニーナが逃げられないよう腰に腕を回しているが視線は真っ直ぐとどこか遠いところをみている。
ふと、窓越しにざわつく声が耳にはいった。ニーナ達の騒動に集まった人々が遠目に馬車をじろじろ覗き込んでいる。
『王子たちが香水店のニーナを連れ去っちまうよ』
『王子たち、なんて言ったらミカエル様に失礼じゃないかい』
『それもそうだ。それにしてもミカエル様は素敵だねえ。遠目だったけれどあの笑ったときの横顔なんて腰が抜けるかと思ったよお』
大勢が一度に喋るため全ては聞き取れないが、どうやらあの第一王太子は人気らしい。
目を輝かせた女性達がうっとりと語っている。
『極悪王子め、また女を誑かしやがって……あの子もきっと適当な理由で処罰されちまうんだ。もうここじゃ商売できねえな』
『まったくだ! あの持たざる王子……俺の兄弟もアイツに処罰されたんだ……! 次見かけたらぶっ飛ばしてやる!』


