かっとなって発した言葉はそれ以上続けることができなかった。
突然、身体が宙を浮き、視界が揺らぐ。
なにかにがっちりと押さえつけられて身動きがとれない。
「こいつは俺が預かる」
感情の分からない声で男が言った。そこでようやく自分が今第二王子に抱きかかえられているのだと気付く。正確に言えばまるで荷物のように肩に抱えられているのだ。
「なっ、おろしてっ!」
「大人しくしていろ」
離れようと暴れるも第二王子は細い身体から想像もつかないほど力が強くびくともしない。あっという間に近くで待機していた馬車に押し込まれてしまう。
「ニーナ! お願いですっ、ニーナを離してくださいっ、もうここでお店も開きませんからどうか……!」
連れ去られるニーナを追いかけてきたリリィが泣きながら王太子に懇願しているのが馬車の窓から見えた。どうにかして開けようとするも一緒に乗り込んだ第二王子がその手を阻む。
「大人しくしていろと言っているだろう……それともあの女も一緒がいいか?」
ニーナは暴れていた身体をぴたりと止めた。今、第二王子のかんに障ってしまったのは恐らく自分だけだ。リリィを巻き込むわけにはいかないと抵抗をやめて身体を縮み込ませる。
――酷い人。
突然、身体が宙を浮き、視界が揺らぐ。
なにかにがっちりと押さえつけられて身動きがとれない。
「こいつは俺が預かる」
感情の分からない声で男が言った。そこでようやく自分が今第二王子に抱きかかえられているのだと気付く。正確に言えばまるで荷物のように肩に抱えられているのだ。
「なっ、おろしてっ!」
「大人しくしていろ」
離れようと暴れるも第二王子は細い身体から想像もつかないほど力が強くびくともしない。あっという間に近くで待機していた馬車に押し込まれてしまう。
「ニーナ! お願いですっ、ニーナを離してくださいっ、もうここでお店も開きませんからどうか……!」
連れ去られるニーナを追いかけてきたリリィが泣きながら王太子に懇願しているのが馬車の窓から見えた。どうにかして開けようとするも一緒に乗り込んだ第二王子がその手を阻む。
「大人しくしていろと言っているだろう……それともあの女も一緒がいいか?」
ニーナは暴れていた身体をぴたりと止めた。今、第二王子のかんに障ってしまったのは恐らく自分だけだ。リリィを巻き込むわけにはいかないと抵抗をやめて身体を縮み込ませる。
――酷い人。


