【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。

 ニーナもロルフを抱きしめ返し、その胸に顔を埋める。明かされた事実はあまりに切なく苦しい。そのうえ、ニーナの母は既に他界しているし、託された《真実の愛》のレシピも未完成だ。そして手紙に記された通りなら、ロルフの呪いを解く方法はたったひとつ。
 ロルフ自身が《真実の愛》をみつけることだ。

 それは一体、どういう意味なのだろう。なにかを例えた言葉なのか、そのままの意味なのか。
 呪いを解くための鍵は見つかったが、結局のところ解決方法はわからないままだ。
 だって、もし言葉通りに『ロルフが真実の愛を知ること』で呪いが解けるのならば、今解けていないのはおかしいのだ。ニーナはロルフを心の底から愛しているし、ロルフもきっとそうだと思いたい。

(愛してるって言ってくださったもの……きっと……)

 不安になりそうになる胸を押さえてニーナはロルフに問うた。

「ロルフ様、私のことを愛してくださっていますか?」
「当然だろう。なぜそんなことを……」

 言い切ってすぐ、ロルフは発言の矛盾に気付いたように口元を覆った。
 訝しげに伏せられた瞳に裏切られたような気分になる。
 酷い。あんまりだ。