【異世界恋愛】【完結】猫族の底辺調香師ですが 極悪竜王子に拾われました。

 けれどそんな臆測はロルフに「今は深く考えなくていい」と言われたことと、ロルフの姿を見つけた途端に斬りかかってきた王妃の従者によって掻き消されてしまった。

 五人の従者を片付けた後、ニーナとロルフは王妃の寝室に辿り着いた。
 一瞬懐かしい香りがした気がするが、王妃の部屋など来たことがないため緊張からくる勘違いだろう。
 調度品に溢れる部屋はニーナが今日までに見てきたこの城の中で一番豪華絢爛にみえて目が回りそうになる。この数え切れないほど物が溢れる部屋からたった一つの捜し物を見つけなければならないなんて。

 時間はあまりない。なぜなら王太子が今王妃を引きつけて外出してくれているからだ。この予定調整のために二日間かかったのだから決して無駄にはできない。
 倒した王妃付きの従者達はロルフの忠臣が後片付けをしてくれると言っていたが安心しきるわけにはいかないだろう。
 一刻も早く目的の重大な鍵を探さなければ。

「泥棒もびっくりですね。こんなに宝石やアクセサリーがあるのに目もくれずに…… 探し物なんて……」

 砂をかき分けるようにチェストやワードローブの中に溢れた宝物を退かして正体の分からない鍵を探している。