――ロルフ様の気持ちを知れたあとでよかった。もしそうじゃなかったら、私はきっと巧みな言葉とこの香り玉だけでまた迷ってしまっただろうから。
王太子の竜化した姿は神々しい。けれど、ニーナにとって銀色の竜以上に美しいものなど存在しなかった。キッと目に力を込めて目の前の竜を見据える。
「いいえ。私はロルフ様の調香師です。彼は私にとって運命です。そう、私自身が感じたことを信じています」
竜は答えない。ただ揶揄うような視線で見下ろすだけだ。
そしてその目は、一瞬見透かすように細められた。
「竜化するなら結界くらい張ったらどうなんだ? ミカエル」
背後から愛しい声がして、ふわりと抱き上げられた。そして同時に攫うような強風に包まれてぎゅっと目を瞑る。
(ロルフ様……?)
恐る恐る目を開く。ニーナはロルフに抱き上げられ、男は金色の竜に銀色に輝く剣を向けていた。竜が鋭い爪で敵を威嚇するように、ただ静かにその切っ先を向けている。
ハッとしたニーナは剣を握る手に慌てて手を重ねた。
「ロルフ様……っ、剣をお収めくださいっ、私はなにもされておりませんっ」
「ああ。万が一にでもなにかされていたのなら俺はこの男にこんなに優しく出来る気がしない」
王太子の竜化した姿は神々しい。けれど、ニーナにとって銀色の竜以上に美しいものなど存在しなかった。キッと目に力を込めて目の前の竜を見据える。
「いいえ。私はロルフ様の調香師です。彼は私にとって運命です。そう、私自身が感じたことを信じています」
竜は答えない。ただ揶揄うような視線で見下ろすだけだ。
そしてその目は、一瞬見透かすように細められた。
「竜化するなら結界くらい張ったらどうなんだ? ミカエル」
背後から愛しい声がして、ふわりと抱き上げられた。そして同時に攫うような強風に包まれてぎゅっと目を瞑る。
(ロルフ様……?)
恐る恐る目を開く。ニーナはロルフに抱き上げられ、男は金色の竜に銀色に輝く剣を向けていた。竜が鋭い爪で敵を威嚇するように、ただ静かにその切っ先を向けている。
ハッとしたニーナは剣を握る手に慌てて手を重ねた。
「ロルフ様……っ、剣をお収めくださいっ、私はなにもされておりませんっ」
「ああ。万が一にでもなにかされていたのなら俺はこの男にこんなに優しく出来る気がしない」


