神々の森、その言葉にニーナの顔が強ばった。なぜ子供の頃ニーナが神々の森で遊んでいた事実を知るはずがない王太子が知っているのか。
「相手のこと、もしかして銀髪だったとか思っている? でもそれって本当にそうなのかな、今そう思い込みたいだけじゃない?」
「なんの話をされているのか分かりません」
ニーナはそう言い切るだけで精一杯だった。自分の気持ちも、神々の森から返された記憶も嘘じゃない。そのはずだ。
ミカエルはニーナに視線を合わせると無理矢理手になにかを握らせた。
「ニーナちゃん。僕が君の運命だよ」
そんなはずない。私の運命は彼だけ。ロルフ様だけ。
そう願うようになにかを握らされた手を開く。
そこには香り玉が入っていた。キラキラと水色に輝くそれからは爽やかな海のような香りが漂う。美しいけれど、確かに使い古されていて年月が経っているのは一目で分かる。
一瞬、頭が真っ白になった。けれどそれはほんの一瞬だ。
煽るように、ぶわっと大きな風が吹く。この風をニーナは知っているような気がした。ロルフが森で竜化したときと同じだったからだ。
「ねえ、ニーナちゃん。空のデート、いってくれる?」
そう風のなかに言い残して、目の前には竜が現れた。金色の美しい竜だ。
「相手のこと、もしかして銀髪だったとか思っている? でもそれって本当にそうなのかな、今そう思い込みたいだけじゃない?」
「なんの話をされているのか分かりません」
ニーナはそう言い切るだけで精一杯だった。自分の気持ちも、神々の森から返された記憶も嘘じゃない。そのはずだ。
ミカエルはニーナに視線を合わせると無理矢理手になにかを握らせた。
「ニーナちゃん。僕が君の運命だよ」
そんなはずない。私の運命は彼だけ。ロルフ様だけ。
そう願うようになにかを握らされた手を開く。
そこには香り玉が入っていた。キラキラと水色に輝くそれからは爽やかな海のような香りが漂う。美しいけれど、確かに使い古されていて年月が経っているのは一目で分かる。
一瞬、頭が真っ白になった。けれどそれはほんの一瞬だ。
煽るように、ぶわっと大きな風が吹く。この風をニーナは知っているような気がした。ロルフが森で竜化したときと同じだったからだ。
「ねえ、ニーナちゃん。空のデート、いってくれる?」
そう風のなかに言い残して、目の前には竜が現れた。金色の美しい竜だ。


