王太子は視線でニーナの背後を確認すると、綺麗な笑顔を浮かべたまま舌打ちをした。
「……見張られてるねえ。あの人の犬かな。ニーナちゃん、こっち」
「わっ」
突然腕を引かれて連れ出されたのは、城の裏庭だった。
広くはないけれど、まるで植物園のように所狭しと実をつけた木や花が並んでいる。
しかもそのどれもが、ニーナの目には珍しいものばかりだ。
「ここはオレンジやミントがなっているから王妃はこない……って聞いてないね」
ニーナはいつか植物園に迷い込んだときと同じようにぴょんぴょんと跳び回って、思わず鼻をひくひくと動かして香りを分析してしまう。
(あの花は神々の森に咲いていたものに似ているわ。あっ、あれはオレンジ……鼻を近づけなくてもしっかりとフレッシュさが伝わってくる……うーん、これはミントかな)
箱庭に夢中になるニーナを王太子はくつくつと笑う。
「いーでしょ。これね、表向きには僕が管理してることになってるんだけど、本当はロルフのものなんだ。アイツが子供の頃に初恋の子ができて、その子ならきっとこの箱庭の香りにつられてやってくる……みたいなこと言ってさ」
「……見張られてるねえ。あの人の犬かな。ニーナちゃん、こっち」
「わっ」
突然腕を引かれて連れ出されたのは、城の裏庭だった。
広くはないけれど、まるで植物園のように所狭しと実をつけた木や花が並んでいる。
しかもそのどれもが、ニーナの目には珍しいものばかりだ。
「ここはオレンジやミントがなっているから王妃はこない……って聞いてないね」
ニーナはいつか植物園に迷い込んだときと同じようにぴょんぴょんと跳び回って、思わず鼻をひくひくと動かして香りを分析してしまう。
(あの花は神々の森に咲いていたものに似ているわ。あっ、あれはオレンジ……鼻を近づけなくてもしっかりとフレッシュさが伝わってくる……うーん、これはミントかな)
箱庭に夢中になるニーナを王太子はくつくつと笑う。
「いーでしょ。これね、表向きには僕が管理してることになってるんだけど、本当はロルフのものなんだ。アイツが子供の頃に初恋の子ができて、その子ならきっとこの箱庭の香りにつられてやってくる……みたいなこと言ってさ」


