もう何年も前に仕立てた膝下の質素なドレスを手直ししながら着ている自分と違い、継母が纏っているものはいつも豪華だった。今着ているドレスも、化粧品も恐らく流行最先端のものだろう。
また借金をしたのだと、考えただけで頭が痛くなる。
――お化粧も自分の手でしないほど魔力が余っているのなら、自分の食事くらい自分で運べばいいのに。
以前、それを口に出してしまったら頬が腫れ上がるほど平手打ちをされたのだけど。
「まったく……相変わらずとろいんだから。大体、わざわざ当てつけがましく運んでこなくても魔法で浮かせてくればいいでしょう? 応用が効かないところなんて本当あの不義女にそっくり。あんたたちのせいでクーリッヒ家は没落したのよ」
「それはっ、何度も申し上げた通りお母様は――」
継母の一言にニーナはカッとなって声をあげた。
自分が黙っていればそれでいいと身にしみているニーナだが、母のことを悪く言われるのは絶対に嫌だった。
ニーナは確かに、男爵である父と調香師の母の間に生まれた。だが、遊び人で派手好きの父の浪費が激しく既に没落しかけていたクーリッヒ家を支えていたのは幼心にも分かるほど母だった。
そして母が病で倒れると、父はあっさり母を見捨て外に愛人をつくったのだ。
また借金をしたのだと、考えただけで頭が痛くなる。
――お化粧も自分の手でしないほど魔力が余っているのなら、自分の食事くらい自分で運べばいいのに。
以前、それを口に出してしまったら頬が腫れ上がるほど平手打ちをされたのだけど。
「まったく……相変わらずとろいんだから。大体、わざわざ当てつけがましく運んでこなくても魔法で浮かせてくればいいでしょう? 応用が効かないところなんて本当あの不義女にそっくり。あんたたちのせいでクーリッヒ家は没落したのよ」
「それはっ、何度も申し上げた通りお母様は――」
継母の一言にニーナはカッとなって声をあげた。
自分が黙っていればそれでいいと身にしみているニーナだが、母のことを悪く言われるのは絶対に嫌だった。
ニーナは確かに、男爵である父と調香師の母の間に生まれた。だが、遊び人で派手好きの父の浪費が激しく既に没落しかけていたクーリッヒ家を支えていたのは幼心にも分かるほど母だった。
そして母が病で倒れると、父はあっさり母を見捨て外に愛人をつくったのだ。


