――優しさの盾となり、尊き者を御守りください。
香水作りは滞りなく進んだ。
張り切ったニーナがその日のうちに二十個分の香水を完成させてしまい、体力と魔力に余裕があったため、またロルフのための香水を思案する。
そして取り出したレシピ帳と、母の形見の香水瓶を取り出した。
数日ぶりに手に取った形見に懐かしさすら感じてしまう。触れない日など今まで一度もなかったのに、まるで自分の気持ちがここから離れているような気さえした。
そこであることに気がつく。ロルフは今のところニーナの作った香水によって、呪いによる体調不良を少しだけ和らげることができている。それはつまり《真実の愛》の香水でも効果は同じなのでは無いだろうか。今まで完成させたことがないレシピなだけあって、もしかするとその効果は計り知れないかも知れない。
今まで作った香水よりも《真実の愛》は大量に魔力を使用することだけは分かっている。
(効果によっては一晩くらいうなされることなく眠れるかもしれない)
そうときまれば。とニーナは更に意気込んだ。当初の目的であった『初恋の彼に渡して告白をする』は一旦見ないふりをした。
「うーん……これはなんか……違う気がする」


