次の日、学校へ行くと向坂くんも登校していた

昨日はお礼を言うどころじゃなかったから、彼の席まで行って声をかける

「向坂くん、おはよう。今時間いいかな?」

「おはよう花門さん。どうかした?」

「うん、月曜のお礼が言いたくて。家までおぶってくれたって聞いたから。だから、ありがとう」

「いやいやそれを言うなら俺の方。その、平気?」

声を落とした彼は「昨日、吸血したから」と私にだけ聞こえる音量で話す

「っ!」

昨日のことが思い出されて、じわじわと頬が染まっていくのがわかる。

「へ、平気だよ!向坂くんも元気になったみたいでよかった!」

私、りっちゃんのところに行くねと伝えると『待って』と呼び止められた

振り向くと真剣な表情で向坂くんは口を開いた

「花門さん、放課後話したいことがある。」

わかったと頷くと、また放課後にと笑った彼

「りっちゃんおはよう」

「やよい、おはよう。さっき向坂と話してなかった?」

「うん、お礼を言ってきたよ。今度なにか渡さそうかなとも思ってて」

進展があったら教えてねと言うりっちゃんにコクリと頷いた