正体を隠したヴァンパイアは、甘い契約を交わしたい

体調が悪かった私に良くしてくれた向坂くん

私が彼に風邪を移したんだと思うから、だからせめて看病くらいはしたい

「我慢、できねーから」

「言っていいよ?私にできることなら何でもするから」

大丈夫、私に任せてと胸を張る私に言いづらそうに口をもごもごさせる彼

けど、なかなか決心がつかないのか口を開いては閉じての繰り返し

そして一度目をぎゅっと瞑ると深呼吸をして話始めた

「俺、誰にも言えない秘密があって………その秘密って言うのがヴァンパイアってことなんだ。」

ヴァンパイアって会長みたいなってことだよね?

でも向坂くんからは会長に感じた恐怖心なんかない

「軽蔑した?」

「ううん」

そんなことないよと思いっきり首を横に振るとホッとした表情を見せた

「いつも飲んでるカフェ・オ・レもさ、吸血衝動を抑えるためなんだ。牛乳はもともと血液だから...。」