正体を隠したヴァンパイアは、甘い契約を交わしたい

「りっちゃん?」

「やよいが来たら向坂もびっくりするでしょうね」

笑ってるりっちゃん、可愛いな

じゃなくて、、、、

「りっちゃんは行かないの?」

「あたり前に決まってるよ~」

てっきりりっちゃんも一緒に行くとばかり思ってた

まさか私一人で行くなんて思ってもなかった

わぁ~どうしようっっ、今から緊張してきちゃった

「大丈夫だって、やよい」

「うん、りっちゃんありがとう」

頑張っていってきてねと彼女に背中を押されてたどり着いた向坂くんのお家

コンビニでゼリーやスポーツ飲料なども買ってきた

あとは目の前にあるインターフォンを押すだけ

なんだけど…

彼が寝ていたらどうしよう、起こしちゃわないかな?となかなか押せないでいた

でも、と意気込んで手を伸ばす

ガチャ

「え?」

待って、私まだ押してないよ?

「花門...さん?」

「こっ、向坂くん!」

そこにいたのは向坂くんで、明らかに体調が悪そう

「体調悪いのに外出なんてダメだよ、ベッドで休まないと」

私の肩も使っていいからと彼の部屋まで向坂くんを支えた