正体を隠したヴァンパイアは、甘い契約を交わしたい

カーテンの隙間から差し込んでくる朝日が眩しい

「...っぅ」

慌てて起き上がると頭が痛くて、頬をつねってみても痛い

「家?」

昨日は…って、保健室で寝てからの記憶がない?

今は何時と時計を見ると、いつも起きる時間と同じ

リビングに下りるために部屋の扉を開こうとした

「あら、やよい。体調良くなったの?」

私が開く前に開いた扉

「あ、お母さんおはよう」

「熱もないみたいね。帰ってきてから丸一日寝てたから心配したのよ」

お母さんの表情から本当に心配してくれていたのがわかる

手渡されたスポーツ飲料水を飲み干した

「ありがとう。」

「今日から学校行くの?もう一日くらい休んでもいいのよ?」

「もう元気になったから行ってくる」

「そう。準備ができたら朝ごはん食べましょう」

お母さんに返事をして支度をする

スマホで確認するとお母さんが言っていた通りで、昨日だと思っていた日は一昨日だった

用意してくれた朝ごはんを食べる

「そうだわ、やよい。いつだったか一緒に帰ってた男の子にお礼言っといてね?」

「男の子?」

私が一緒に下校したことのある男の子は向坂くんしかいない