「ちょ、向坂!いきなりどうしたの」
廊下に出た私たちの後ろからりっちゃんが声をかける
「麻生さん、花門さんが体調悪いみたいだから」
「そうだったの?!先生には私が伝えておくから、やよいをお願いね!」
と教室に戻っていった
「花門さん、保健室まで歩ける?」
心配そうに覗き込んでくる彼
「うん、頑張る…‥きゃっ」
「ほら、無理のしすぎは良くないから」
確かに足もとはおぼつかなかったかもしれないけど、保健室くらいまでなら歩けたもん
向坂くんにお姫さま抱っこされてるなんて恥ずかしくて耐えられないよ
でも、
「ぁ、りがと…ぅ」
「うん」
小さく呟いた感謝の言葉に短く返してくれた
「熱計ってみて」と渡された体温計
あっち向いてるからと気を使ってくれて、脇にはさむ
ピピッ
表示された数値を少し下げて伝えるとあの日みたいにテキパキと準備をしてくれた向坂くん
「花門さんはベッドで安静にしてて」
横向きになった私にそう告げ、立ち上がった向坂くん
手を伸ばしたけれど彼には届かず、ガラッと扉の閉まる音が響いた
そのうちチャイムの音が聞こえてくる
授業始まっちゃったなと初めて授業を休んでしまった罪悪感とともに保健室に取り残された寂しさ
廊下に出た私たちの後ろからりっちゃんが声をかける
「麻生さん、花門さんが体調悪いみたいだから」
「そうだったの?!先生には私が伝えておくから、やよいをお願いね!」
と教室に戻っていった
「花門さん、保健室まで歩ける?」
心配そうに覗き込んでくる彼
「うん、頑張る…‥きゃっ」
「ほら、無理のしすぎは良くないから」
確かに足もとはおぼつかなかったかもしれないけど、保健室くらいまでなら歩けたもん
向坂くんにお姫さま抱っこされてるなんて恥ずかしくて耐えられないよ
でも、
「ぁ、りがと…ぅ」
「うん」
小さく呟いた感謝の言葉に短く返してくれた
「熱計ってみて」と渡された体温計
あっち向いてるからと気を使ってくれて、脇にはさむ
ピピッ
表示された数値を少し下げて伝えるとあの日みたいにテキパキと準備をしてくれた向坂くん
「花門さんはベッドで安静にしてて」
横向きになった私にそう告げ、立ち上がった向坂くん
手を伸ばしたけれど彼には届かず、ガラッと扉の閉まる音が響いた
そのうちチャイムの音が聞こえてくる
授業始まっちゃったなと初めて授業を休んでしまった罪悪感とともに保健室に取り残された寂しさ