「なんでもないってば。」


言えるわけないじゃん。


やきもち焼いてるなんて。


「ごめん。ちょっとお手洗い。」


私は龍矢のそばから離れたかった。


離れて、心を落ち着かせたかった。


言葉がわからなくてよかった。


トイレに入ってそう思った。


龍矢になに言ってるか、わかりたくなかった。


お化粧を直して、トイレを出た。


「なんで・・なんでいるのよ。」


外に出ると、龍矢が待っていた。


「お前、なんか怒ってんだろ?」


「怒ってなんかない。」


「だったらなんで、そんなに機嫌悪いんだよ。」