パタンと、ドアを閉めた。


「帰ったか?」


龍矢は書類から顔をあげた。


私はソファーに腰をおろした。


そのまま足を抱えて座った。


「美和?」


龍矢は私の名前を呼んだ。


「どうかしたか?」


いつの間にか、龍矢の声がものすごく近くに聞こえた。


「なに泣いてんだよ?」


顔をあげた私を見て、龍矢が言った。


「・・・泣いてないもん。」


「それじゃあ、目から出てるのはなんだ?」


「汗・・だよ。」


「すごいな。美和の目からは汗がでるのか。」