それは、冬休みに入るちょっと前。


「美和。」


「あっ、龍矢。おかえり。」


って、振り返ったときの顔が。


なんかものすごく不機嫌なんだけど!


待って待って、私何もしてないよ。


「あの、なんか怒ってる?」


私は恐る恐る聞いた。


「これはどう言うことだ。」


龍矢が私に突き出した紙。


それは、冬休みのバイト許可証。


今日、アルバイト担当の先生に提出したやつ。


そっか。


龍矢は担任だから。


そこまで紙が回ったんだ。