「苦い。」


口移しで飲まされた薬の味が、口中に広がる。


「薬なんだから、当たり前だろ?」


「風邪うつるよ。」


「俺はそんなにヤワじゃない。」


龍矢が私の髪をなでた。


「寝ろ。」


「眠くない。」


「薬が効いて、そのうち眠くなる。」


「うん。」


「熱上がったら、学校休めよ。」


「せっかく予習したのに。」


「俺から英語の先生に言っといてやろうか?美和はしっかり予習してましたって。」


「ばか。」


そんな会話してたら。


だんだん眠くなってきた。