龍矢と別れるとき、耳元でそうささやかれた。


なに?一体。


なにか企んでるの?


それから時間はあっという間に過ぎ、とうとう本番。


「美和、ちょー似合う。」


「そうかな?」


みんなで頑張って作った、衣装。


「先生かっこいい。」


その声に振り向くと、王子の衣装を着た龍矢の姿。


やっぱり、めがねを取ると、いつものあの龍矢だ。


女の子の目が、ハートになるのがわかる。


「似合ってるな。」


耳元でそう言われた。


「龍矢だって。」


いつもとは違う龍矢の姿に、心臓がドキンと高鳴る。


その言葉に、龍矢はあの意地悪な笑顔をした。