【彼女の秘密】
「また会えましたね。近々あえると思っていました。」
「そうだね。僕も感じてた。聞きたい事があったんだけど、君は何故此処にずっといるの?」
「貴方こそ何故いつも同じ時間に来るのですか。」
「この時間に来れば君に会える気がするんだ。ここら辺で、近年噂になってる数十年に一度の七夕の夜にだけ、大きなオーロラの降る時間に。」
「オーロラですか。見かけによらず結構ロマンチストなんですね。」 
彼女は子供のように無邪気に笑った。
「君に会うのは、楽しいからね。そういえば、名前って何?」
「ないです。」
僕は一瞬戸惑った。名前のない人になんて会った事がなかったから……。
「君は、一体……。」
「私は星で生まれたのです。だから…….。」
僕は君の笑顔に救われたんだ。だってーー。
「じゃあ愛なんてどう?」
「愛ですか。私には届かない、太陽のような明るい名ですね。」
そう言って愛は消えていった。僕は自然と空高く手を伸ばしていた。