「えっと…え?ごめん智晴、なんて?」
「…別れよう。もう椿のこと女に見れないんだよ」
「え?」
「ごめん、別れよう。もう椿のこと女にみ」
「わかった!!!もう言わなくていいって!
いや分かってない分かりたくもないけどもうわかった!!いや分からん!」
仕事帰り、話があると言われて近くのファミレスに来た私は3年間付き合っていた彼氏にこんなことを言われて頭が混乱しています。
確かにココ最近は仕事で忙しくて会ってなかったけどきちんと連絡は取ってたし…いやまぁおはようとおやすみだけの会話が続いてたけど、それでもなんとなく大丈夫だと思っていた。
「というか、女に見えないって…どゆこと?」
自分から傷口を広げに行こうとする私も馬鹿だよな…
「…言い難いけど、やっぱりその…たまに泊まりに来た時とか普通にオナラするし髪ボサボサだしゲップするしすね毛と脇毛ボーボーにしてるし…なんか、ごめん」
おい、ファミリーレストランでなんてこと言ってくれとるんだコイツは
白目を向きそうになる目を必死に抑えながらとりあえず喉が渇いている訳でもないのに水をごくごくと飲んだ。
言葉が出ない、いや恥ずかしすぎて言葉が出ない
確かにやってましたよはい。でも毛はよくない?というかこの男は女をなんだと思ってる?確かに脱毛とか行ってツルッツルの女性もいる。私みたいにボーボーなるまで放置してる人はあまり居ないかもしれないけど、結婚したらそんなこと言ってられないだろ??というか毛まで愛せ!!!
怒りすら覚えてきた…
拳を握りしめて何かを言い返そうとするけど出てこようとする言葉はわかった、しか無くて…
だって私、結婚も視野に入れてたんだよ。仕事大変でもたまにお泊まりやデートがあって、智晴がいたから頑張れたのに…ここであっさりさよならなんてそんな悲しいこと出来るわけない…しかも原因がゲップやオナラ、毛だなんて嫌すぎる。
「でも私はまだ智晴のこと__」
「あれぇ?ともくんだぁ!」
はい?なんですかこのブリブリした甲高い声は
私は突如現れたフリフリ服の女の子に目が釘付けになった。
しっかりと巻いた黒髪をハーフツインにしてパッチリとした目は智晴を見たあと私を捉えた。
わ、若そう…ていうか何、この子は誰!?
目で智晴に訴えようとするが何故か視線を外された。
怪しすぎる
「えーと、ともくんの…?」
遠慮がちに言われて私は彼女と答えるべきかどうか迷っていた
だって今絶賛別れ話中だし、いやでもまだ付き合ってることにはなってるからまだ彼女なのか?とかなんとか考えていると瞬時に智晴が口を開いた。
「し、親戚の子!」
「????????」
多分私の顔今世界で1番ポカーンとしてたと思う。