「そうだね。私の部屋にも、置いていっていいから。まぁ、もし親が来るって言うときには隠したほうがいいけどね」

クスクス笑いながら、そんなことを話していた。

「それより、さっきの話に出てきた、レストランに通い詰めてた男って、ナンパだったの?」

少し不安そうに尋ねられ、

「そうね。結局は、そういうことだったみたい」

「三井さんさえ嫌じゃないなら、僕が店に行って『この人は僕の彼女なので』って、邪魔するのに」

確かに、前は仕事しているところを彼に見られるのが気恥ずかしくて嫌だったが、

「前に、照れるから店には来ないで、なんて言っちゃったけど…やっぱり、いつでも来て?なかなか会えない分、ほんの少しでも会いたいし」

彼の部屋の片隅には、まだ全然仕上がりそうもない、第二号の模型飛行機があった。