「及川くん、お疲れ様」

「お疲れ様。三井さん、次に週末休みになるのっていつだっけ?」

私は手帳をチェックしながら、

「えっとね。丁度、今週の土曜は休みだよ」

「そっか。よかったら会える?」

「うん」

「じゃあ、楽しみにしてるよ。おやすみ」

たったそれだけの電話だが、そんなカラッとした関係も、自分には丁度よかった。

及川くんは、何処へ行こうとは特に言っていなかったが、何しろ、もう付き合いも長い私たち。

社会人になってからは、私が土日休みになることが少ない為、大学時代ほど頻繁に会えないが、仕事のあと、時々軽く夕飯を一緒に食べたり、休みが重なった日には丸一日、ただ一緒に過ごせるだけで満たされている。

彼と居ると、仕事の疲れが癒やされていくようだ。