及川くんのことなら、何もかも知っている気でいたけれど、それはあくまで友達としての及川くんのことだけなのかもしれない。

私のことを具体的にどう思っているのか、とか、どうしてここまで徹底したプラトニックなのか、とか、将来のことはどう考えているのか、とか…。

そんな不安が洪水のように襲いかかってきた。

急に、何もかもが壊れていったような気がして、

「三井さん、ホントに今日はどうしたの?」

いつもの優しい声を聞くことすら、今はもう、つらくて仕方ない。

「及川くん」

「ん?」

「私たち、友達に戻ったほうがいいかもしれないね…」

そう言うと、及川くんは表情が固まり、しばらく黙ってしまったが、