この男がどうこうというより、何でもわかりあえていると思っていた及川くんの気持ちが見えないことが、不安で仕方ないのだ。

「試しに、誘惑してみたら?それでも何もなかったら、完全にアンタ、失恋だよ」

結局、ただただ嫌な気持ちにさせられただけで、とりあえずこの男との食事は終わった。