「推薦では、いかがですかー?」
その言葉の後、わたしが辺りを見回すと薫子が手を挙げていたのが見えた。
「泉さん、どうぞ」
「茉莉花がいいと思います!」
「ちょっ……薫子……!」
わたしの頭は、プシューっと沸騰したような感覚に襲われた。
「陽向くんと茉莉花はお似合いなんだから、絶対うまくいくって!」
ヒソヒソと小声で薫子が話している間に、学級委員の子は、構わず“シンデレラ”という文字の下に、わたしの名前を書いていた。
「はい、他は?」
次にも、推薦する予定の人が手を挙げ、北野 杏ちゃんという女の子が選ばれた。
杏ちゃんは、ぱっちりした瞳でくるんとした髪の毛がとっても可愛い子。
杏ちゃんなら、絶対にシンデレラ役似合う気がする……!
だって、シンデレラはドレス着て踊るんでしょ?
わたし、踊ることもダメだし、ドレスだって似合わないし、シンデレラ要素がどこにもないんだもん……!



