「あ、うん、大丈夫!!」
階段を一段踏み外してよろけそうになりながらも、そう力強く答えた。
「転びそうになってる人に言われても、説得力ないんですけど~?」
「あ……ごめんなさい」
「ふ、なぜ謝る」
キメ顔をして言う南ちゃんに、私はふふっと笑みがこぼれる。
「そういえば南ちゃん、部活は?」
「今日はミーティングだけだったんだ。さっき終わってさ、この時間なら教室に砂苗、残ってるかなーって」
「そうなんだ」
南ちゃんは女子バレー部所属だ。
身長は私よりも2センチほど高くて、たしか……158センチだったかな。身長はあまり高くないけど私なりに頑張るって、入部するときに言っていた。
私は、南ちゃんのそういうところがすきだなあ、なんて。



