少し怖い君に、振り回される



 砂苗が景色の写真を取ろうとカバンの中から、繋いでいないほうの右手でスマホを取り出す。



 が、スマホを片手で持ってロック解除に挑戦しようとするのに、手が小さくて親指が届かずうまくできない。



 「あ、ご、ごめんなさい、天新くん。カメラを開きたくて……」

 「ん、わかった」



 あんまり離したくなかったけど、仕方ない。

 砂苗はスマホを左手に持ち直し、右手の人差し指でちょこちょこと画面をタップする。



 ……ああ、どうしよ。なんか、全部かわいいんだけど。

 ふわふわと動くのが、甘いピンク色のわたあめみたいで……うまそう。



 ……いやいや、どう考えても"うまそう”はまずいだろ。

 でもほんと、舐めたらまじで甘そうなんだよな。




 かわいいって言うたび、じっと見つめるたび、砂苗は顔を赤く染める。

 こんなの毎回見せられてたら心臓が過労死する。



 自分で自分の首絞めてる気がするわ、俺。