少し怖い君に、振り回される



 湯山くんが私の顔を覗きこんで、じっと見つめてきた。

 これは、待ってる? 次はお前の番だ~っ、みたいな。



「……ほ、ほんとだ、きれい。……えっと、天新、くん」



 全身熱くなりながら、震える声で名前を呼んだ。



「"くん”づけなんて俺、今までされたことねーわ」

「あ、ごめんなさいっ」

「ううん。なんか、砂苗らしくてかわいい。ありがと」



 っ。ま、またかわいいって……。

 湯山く……じゃないや、天新くんって、こんな感じだったっけ?

 視線とか言葉がすごく、普段より甘い気がする。



 いつもはどちらかというと、ぶっきらぼうな感じだから……。

 それに前は少しだけ怖いって、思ってたくらいなのに。