少し怖い君に、振り回される



「……水町」



 私は、返事ができなかった。

 声が、出てこなかったんだ。



 湯山くんは、私からゆっくりと手を離す。



 ……私は教室を飛び出した。




 ドアを閉めて、すぐ近くの壁に寄りかかる。




 ……湯山くんの気持ちが、わからない。

 私の行動が、湯山くんへ好印象になっていたとは到底思えなかったから。



 ......なんで。

 さっきから、そればかりだ。




 まるで読めない。

 あんなことをされてしまったら……どうしたって、"そう”だって考えてしまう。




 ———好きなのに、少しだけ、湯山くんがまだ怖い。

 この気持ちが、矛盾してるってわかってる。



 わかってる、から……。




 ————これ以上、気まぐれな君に振り回されたくない。



 君の気持ちを、知りたい。

 私の気持ちは—————。