それから数日たった、ある日の放課後。
夏休みが近づき、教室内は冷房が効き放題だ。
しかし今現在、教室には私しかいない。
誰もいないのに、私はなぜここにいるのかというと。
昨日新しくオープンした学校の近くのカフェに、今日の放課後に南ちゃんと行く約束をしたから。
顧問の先生が部活の後半から出張でいなくなるから、いつもより早めに終わるんだって。
だから私は、南ちゃんを待っているんだけど。
この席に座っていると、やっぱり意識してしまうのは……後ろの席。
本人はいないとわかっていても、少しずつ鼓動が速まるのがわかる。
放課後はよく残っているからわかる。
この時間に教室へ帰ってくる人は、いない。
だから……少しだけ、なんて理由をつけて。
私は自分の席から立ち上がり、おそるおそる湯山くんの席へ近づいてみる。
……どうしよう、自分がまずいことをしてるってわかってるのに。
少し高鳴る心臓が、憎い。
そのとき、ドアががらりと開く音がした。
えっ、うそ。



