「ねーえーなにしてんのあんたたちーっ!」



 騒がしい昼休みの時間。

 その騒がしさに負けないくらい南ちゃんの大きな声が、教室内を駆け巡った。



「え、なにって、ポッキーゲームだけど」



 ポキッと、その商品名らしい音が鳴る。

 後ろへ振り向くと、湯山くんの席の机に椅子を三つ並べていた。

 そのうち二つに座っていたクラスメイトの男子たちが、短いポッキーを口にくわえている。



「ああ~っ、途中なのに折るなよお前~!」

「あんたら付き合ってるとかじゃなんだよね? なら気持ち悪いから止めてくんない」



 軽蔑したような目で、南ちゃんは二人を見る。

 けど。



「それなら、俺と湖出でやる?」

「はあ? やらないしっ。バカか」



 懲りずに、というか、南ちゃんの言葉もさほど気にしていないのか、一人がそう持ちかける。

 そして、当然断る南ちゃん。