500メートル程歩き、少年がCDショップに入ろうとした所でオレは肩に手を伸ばした。 細い肩を叩くと同時に少年は振り向いた。 ビクッと上下するのが分かり、 「あ、ゴメン!」 と反射的に謝ってしまった。 少年の目は大きく見開かれた。 だがオレの目も大きく見開いた。 一瞬性別が判別出来ないくらい、美しい顔立ちをした少年だった。 「なんですか?」 形のいい唇から発せられた声で少年だと分かる。 その声にしてもあまり低くなく、耳に残る品のいいベルのようだ。 .