「!」 そーか今日はシングルの発売日だった。 こんな日にのこのこCD屋に来るなんてバカもいいとこだ。 よく見れば、長い巻き髪を金髪に染め、黒い服に身を固めたオレ達のファンらしき子が何人もいる。 ヤバイ… オレは身を翻し、目立たないように人の少ない方へと遠回りしながら出口へ戻った。 出口の自動ドアが開き、ホッとすると、入れ違いに客がこっちへ向かって来た。 避けるつもりが、向こうも避け、結果ぶつかりそうになる。 「あっスミマセ……」 相手が謝りながら顔を上げた。 .